きもの仕立て屋 咲季きもの仕立て草苑

b0201195_0213157.jpgわたしはきものの仕立て屋です。
この道も約30年です。

一枚一枚精魂こめて仕立てております。
しっかりとした技術を提供したいと思っております。

きものは仕立ててあればどれもこれも同じではありません。
仕立てもひとつの大事な要素、意匠とも呼べるよう精進したいと思っております。
仕立てが必要なとき、お困りの時はぜひご相談くださいませ。


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一級和裁士 矢崎恵子
〒409-0125
山梨県上野原市野田尻470−2
電話:0554-66-3751
e-mail: celestial_sea_sky*blue.plala.or.jp (*を@に変えてください)



  ☆ 新しい記事はこの下からです。

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# by saki-kss | 2017-12-01 00:20 | 咲季きもの仕立て草苑

袖口考察

先日生徒さんが「くけ縫い」の動画を観たと言っていました。
そういえば、わたしは仕立てに関しては動画を見たことないとはたと思い、
どういうのがあるのか試しに検索してみました。

ま、くけ縫いはいいのですが、ちょうどいいのがありました。
匠の袖縫いです。


技能士会の会長さんですね。東京マイスターであられるO氏です。

技能士会には尊敬する先生もいらっしゃるし、わたしも入ろうかどうしようかと悩ましい思いも抱いているのですが、東京に出るのがめんどう、東京にあまり行きたくなかったり、親睦にあまり興味がなかったりで腰が重くなっています。技能向上はしたいのですけれど。


O先生も男仕立てですね。わたしもです。
やっぱりあぐらをかき、足を利用する男仕立のほうが断然合理的だと思うのですが、
近頃は少なくなっているようですね。

O先生もおっしゃっていますが、袖はなんといってもさまざまな技術の集積でそれがきれいにできれば一人前です。

永遠の課題である袖!動画を見ながら、同じ、同じとつぶやいたり、おぉ、そこそうするのかと
学んだり、やはり時おり匠の技を拝見することはためになりますね。

袖口のふきと袖口下は中でも難しいところです。
O先生は袖口縫いの最初と最後、端の部分を身頃の裾のふきをつくるように1分表地を下げています。
わたしはそういうやり方をしていたこともあったのですが、今は下げていません。
今回はそれを見習ってやってみました。

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これですね。

それからそのあと、袖口を表地と裏地を2本取りの糸で結ぶところ、カットしてましたね。笑
なんでかな?企業秘密でしょうか。
そこ見たかった!その結ぶ時のすくい方にもかなりコツがいりますよね。

それでこうなりました。
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身頃の裾ふきのように表地が減っています。

わたしとしてはここまで減らないで、あと裏地のふきが、表地の減るのと対称的にでるのを理想としています。

まだまだ課題は続くのでありました。
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# by saki-kss | 2017-02-17 22:19 | 技術

コートのボタン

新年あけましておめでとうございます。

今年は穏やかで暖かい正月ですね。
これぐらいの天候ですと活動しやすくて良いですね。
新年は伊豆修善寺温泉に行き、そのついでに沼津のご用邸に見学に行きました。
庭や建物に興味があり、興味深く拝見してきました。
庭も建物もそうですが、こういったいい方が適切かどうかはわかりませんが、
富裕層、あるいは高貴な方々が使っていたものには日本の古き良き文化が多く残されていますね。
茶の湯の世界もそうですし、きものもそうです。
きものもかなり手の込んだものがあり、残念ながらそういったものは誰でもが身につけられるというのではありませんが、文化の保持という意味では残してほしいものです。
それも昨今では急激に失われていく憂き目にあっているので、どうにかして伝えていってもらいたいと思っています。

とはいえ、庶民の暮らしのなかにも伝統はありました。それから、ものを大切にするというこころもありました。ですから、どっちが尊いというのではなく、また、二極に分類するというのでもなく、
どちらも、少し前の日本にはあったという歴史、記憶は残しておきたいものです。
歴史や記憶は簡単に忘れ去られ、塗り替えられるものですから。


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話は変わり、これは昨年最後の仕事の縫い取りお召しのコートでした。
たいがいにおいてボタンは共布をくるみボタンにつくるのですが、ここはべつにあわせようと計算してボタンをつくったわけではないのですが、つける段になって、意外と合いそうだということで、
なるべく位置を合せてみました。
完璧にはあっていませんが、いい線はいっているでしょう?

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コートは最後のスナップづけとかボタンづけとかがわりに手間どるんですよ。


ということで?今年もどうぞよろしくお願いいたします。!

仕立のご用命はいつでもお待ちしておりますので!
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# by saki-kss | 2017-01-04 22:05 | 技術

唯一無二の場所

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これは訪問着の袖で「松葉」が描かれています。

見頃と合い印がある場合は必然的に柄を合せるよう、位置が決まりますが、
そうでない場合、こういった単体で柄がある場合、その位置(高さ)は仕立て屋のセンスにゆだねられます。もちろん、できあがりの丈プラス縫い代があるので、どこまでも可能というわけにはいきません。
一般的には柄は高さの半分より下のほうが落ち着くとみられています。

少し位置を変えてみましょう。
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やや下に
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こちらは上に

みなさんはどれが一番落ち着きますか?

わたしは最初の写真の位置が落ち着きます。(ので、この位置にしました)

柄によってはもう少し下、あるいは上がいいかもしれませんが、この柄と大きさではここかなと思います。

これはここという、もっとも適した位置があり、その感覚は我々仕立て屋が常に磨いていないといけないと思っています。

話は変わり、衿づけのラインを縫うときなどにも、どのラインがもっともきれいで無理がなく着やすいかをいつも考えて縫っています。

唯一無二の場所があるはずだと。

必ずしもいつも実際にそうできているとは言えませんが、そのように狙うことは仕事を向上させる、あるいはいい状態をキープする上で大切なことだと思っています。

手前味噌ではありますが、わたしは修行中の始めのうちから先生に「貴女の縫ったきものは着やすい」と言われていました。さきほどの衿づけのラインなどでは着やすさ、着にくさが如実にあらわれます。また、縫った糸に緩むでもなく、きつくなっていないか等。

手仕事では機械ではできないこうした違いがあり、こういった「塩梅仕事」はいつまでも残しておきたいですね。

世の中ではAI技術(人工知能)が日進月歩で進み、シンギュラリティ、つまり、人工知能が人間を追い越す時は2045年とも、それより早いのではないかとも言われています。
この先、人間の労働はどこまで機械に任されてしまうのか、また我々の暮らし自体は、など、これからの数十年はかつてない変化に見舞われるでしょう。

でも、細かな加減は人間に残された仕事、そう信じて環境がどうであろうがやることは変わりません。
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# by saki-kss | 2016-10-31 00:08

加賀友禅

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久しぶりにうれしい仕事をすることができました。加賀友禅です。
かつて世の中の景気がよくよいものがどんどん売れていた頃はこうした手描きの友禅やすばらしい技巧の絞り、刺繍などぜいぶん縫ったものでしたが、近年は残念ながらあまり「これはすごい!」とうなるようなものにはありつけていません。
日本は貧しくなったのだとつくづく実感します。景気が上がったなどというのは政府が禁じ手を使って株価を上げる等偽装工作をしているからのことであって、稼いでいるのはほんの一握りのひとであり、
庶民は買いたいものがあっても財布の中身と相談しなければなりません。

と、話はせちがらくなってしまいましたが、わたしたち仕立て屋もそう、きものの作り手である染めや織り、もろもろの職人たちの待遇や後継者不足は危機的になっており、いかにしてこの文化を守っていけるかという悩みは常々抱いているのです。

近年は若い方も着物には興味を持たれる方も多くなったようですが、まずはリーズナブルなところから。しかし、良いものを見るということは大切なことです。いろいろなものを見てよいものと、近頃のインクジェットで染められた偽物との違いを感じていただきたいものです。といってもひとめみればその差は歴然としていますよね。

さて、加賀友禅です。
京友禅との比較でひとつ大きな違いは、京友禅はたくさんの工程を分業でべつべつの職人が手がけるのに対し、加賀友禅は作家さんがすべての工程をこなすことにあります。
このきものも作家の名前が下前おくみに入っています。

加賀友禅は「加賀五彩」という、臙脂・藍・黄土・草・古代紫の五色を基調とし、優雅で上品な印象を持たせるものが多いと思います。
この友禅も華やかというよりは落ち着いた上品さと伸びやかさがありうっとりとします。

わたしは植物にはくわしいほうですが、この植物なんだかわからないのです。。。
と、もしかしてヤマハッカ?ヒキオコシ
たぶんそんなところでしょう。いずれシソ科の小さな花で今の初秋に咲く目立たない花です。
珍しいっ!こういう地味な山野草を持ってくるなんて!
ちなみに作者は女性です。

こうした手描きの良いものは生地も上質のものが使われ縫いやすいのです。
比較するのもあれですが、ポリエステルのものなどは逆に縫いづらい、コテもかかりにくければ
高温にも注意しなければならない。できれば縫いたくないものですね。
良いものを縫えるというのは仕立て屋の喜びです。
もちろんやるからにはどんなものでも手を抜くということはありえませんけれどね。

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# by saki-kss | 2016-10-04 22:14 | きものあれこれ

衿先裏

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いつもうまくいくわけではないのですが、これはいいですね。笑

衿先の裏側です。
こんなところも意外と難しいのです。
角のところは表も裏も同じ3寸の幅、そこから急に舟底型に裏だけ減らしてゆくのですから、
無理をしないといけません。

これもやはりコツがあります。
こんなことも修行中に習ったわけではなく、長い年月の間にこうしたらいいかなと
練ってたどりついた結果です。おおげさですけどね。

技術の向上は際限はなくひとつの箇所に何年、何十年と経験してやっとそうか!と
わかることもあります。

発見があるっておもしろいですね!
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# by saki-kss | 2016-08-30 22:00 | 技術

ぜんまい織紬

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ぜんまい織の紬を仕立てました。

ぜんまいとは山菜のぜんまいです。
絹の糸にゼンマイの綿毛を混ぜ込んだ糸を部分的に使っています。茶色のかすれたようなところがそうです。

ゼンマイの綿毛はなにしろ短毛ですからそれだけで糸にすることはほぼ不可能かと思います。

ガマの穂の綿毛を綿糸に混ぜ込んだ布も見たことがあります。
ガマといえば昔は蒲団に使っていたというのにもびっくりした記憶があります。
字がそうですね、ガマ=蒲ですね。

ぜんまい織は主に日本海側、秋田とか山形で生産されているようです。

この夏はもう一枚仕立てる予定です♪


☆ 咲季きもの仕立て草苑では随時仕立ての注文をお受けしております。
また、仕立のご相談にものりますので、お気軽にお電話ください。

また、和裁教室も随時募集しております。
ゆかた一枚、自分のものを縫ってみたい方からプロをめざす方までできるかぎり対応させていただきますが、プロ志望の方でも、とうほうは訓練所ではないため、縫うものはご自身で用意してください。
実力があがり、仕事をさせても大丈夫と判断した時にやっていただくことはあると思います。
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# by saki-kss | 2016-08-17 21:06 | きものあれこれ