共襟の柄合わせ

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この写真は、前身頃の胸と衿の部分です。

訪問着や付下げ、振袖などは、胸と衿の柄がつながるものがあります。
合い口がある、とも言います。
多くは上前(着る方にとって左側)の方にのみそうであるのですが、
この写真のように、上前、下前の両方に合い口がある場合もあります。
振袖などでは比較的多いです。

さて、この両側をつなげることは簡単ではありません。
共襟の柄は位置が決まっているため身頃の方で配慮しなければなりません。
その配慮とは、要するに「どこに衿肩あきをもってくるか?」ということです。

きものは当然布ですから、固い紙とは違い、ちょっとのことでずれが生じます。
何度もこの位置でよいかどうか見極めたとしても、両方の合い口を合わせることに
絶対大丈夫という保証はありません。
また、袖付けのほうも考慮しなければなりません。

業界では、このような場合、上前の方さえ合っていれば良しとされています。
しかし、もちろん合うにこしたことはありませんから、何度も確かめながら
合わせる努力をします。それでも必ず合うとは残念ながらいきません。

また問題なのは、仕立て以前に染めの方で、昨今は染めの方の知識不足を感じることがしばしばあります。
こちらでは対処できない柄のずれがすでにある場合も少なくありません。
実はこのきものにおいてもそうです。
しかしながら、仕立て屋は可能な限り、染めの「不足」を補わなければならないのは言うまでもありません。
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by saki-kss | 2010-08-20 23:37 | 技術
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