加賀友禅

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久しぶりにうれしい仕事をすることができました。加賀友禅です。
かつて世の中の景気がよくよいものがどんどん売れていた頃はこうした手描きの友禅やすばらしい技巧の絞り、刺繍などぜいぶん縫ったものでしたが、近年は残念ながらあまり「これはすごい!」とうなるようなものにはありつけていません。
日本は貧しくなったのだとつくづく実感します。景気が上がったなどというのは政府が禁じ手を使って株価を上げる等偽装工作をしているからのことであって、稼いでいるのはほんの一握りのひとであり、
庶民は買いたいものがあっても財布の中身と相談しなければなりません。

と、話はせちがらくなってしまいましたが、わたしたち仕立て屋もそう、きものの作り手である染めや織り、もろもろの職人たちの待遇や後継者不足は危機的になっており、いかにしてこの文化を守っていけるかという悩みは常々抱いているのです。

近年は若い方も着物には興味を持たれる方も多くなったようですが、まずはリーズナブルなところから。しかし、良いものを見るということは大切なことです。いろいろなものを見てよいものと、近頃のインクジェットで染められた偽物との違いを感じていただきたいものです。といってもひとめみればその差は歴然としていますよね。

さて、加賀友禅です。
京友禅との比較でひとつ大きな違いは、京友禅はたくさんの工程を分業でべつべつの職人が手がけるのに対し、加賀友禅は作家さんがすべての工程をこなすことにあります。
このきものも作家の名前が下前おくみに入っています。

加賀友禅は「加賀五彩」という、臙脂・藍・黄土・草・古代紫の五色を基調とし、優雅で上品な印象を持たせるものが多いと思います。
この友禅も華やかというよりは落ち着いた上品さと伸びやかさがありうっとりとします。

わたしは植物にはくわしいほうですが、この植物なんだかわからないのです。。。
と、もしかしてヤマハッカ?ヒキオコシ
たぶんそんなところでしょう。いずれシソ科の小さな花で今の初秋に咲く目立たない花です。
珍しいっ!こういう地味な山野草を持ってくるなんて!
ちなみに作者は女性です。

こうした手描きの良いものは生地も上質のものが使われ縫いやすいのです。
比較するのもあれですが、ポリエステルのものなどは逆に縫いづらい、コテもかかりにくければ
高温にも注意しなければならない。できれば縫いたくないものですね。
良いものを縫えるというのは仕立て屋の喜びです。
もちろんやるからにはどんなものでも手を抜くということはありえませんけれどね。

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by saki-kss | 2016-10-04 22:14 | きものあれこれ
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