カテゴリ:技術( 24 )

袖口考察

先日生徒さんが「くけ縫い」の動画を観たと言っていました。
そういえば、わたしは仕立てに関しては動画を見たことないとはたと思い、
どういうのがあるのか試しに検索してみました。

ま、くけ縫いはいいのですが、ちょうどいいのがありました。
匠の袖縫いです。


技能士会の会長さんですね。東京マイスターであられるO氏です。

技能士会には尊敬する先生もいらっしゃるし、わたしも入ろうかどうしようかと悩ましい思いも抱いているのですが、東京に出るのがめんどう、東京にあまり行きたくなかったり、親睦にあまり興味がなかったりで腰が重くなっています。技能向上はしたいのですけれど。


O先生も男仕立てですね。わたしもです。
やっぱりあぐらをかき、足を利用する男仕立のほうが断然合理的だと思うのですが、
近頃は少なくなっているようですね。

O先生もおっしゃっていますが、袖はなんといってもさまざまな技術の集積でそれがきれいにできれば一人前です。

永遠の課題である袖!動画を見ながら、同じ、同じとつぶやいたり、おぉ、そこそうするのかと
学んだり、やはり時おり匠の技を拝見することはためになりますね。

袖口のふきと袖口下は中でも難しいところです。
O先生は袖口縫いの最初と最後、端の部分を身頃の裾のふきをつくるように1分表地を下げています。
わたしはそういうやり方をしていたこともあったのですが、今は下げていません。
今回はそれを見習ってやってみました。

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これですね。

それからそのあと、袖口を表地と裏地を2本取りの糸で結ぶところ、カットしてましたね。笑
なんでかな?企業秘密でしょうか。
そこ見たかった!その結ぶ時のすくい方にもかなりコツがいりますよね。

それでこうなりました。
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身頃の裾ふきのように表地が減っています。

わたしとしてはここまで減らないで、あと裏地のふきが、表地の減るのと対称的にでるのを理想としています。

まだまだ課題は続くのでありました。
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by saki-kss | 2017-02-17 22:19 | 技術

コートのボタン

新年あけましておめでとうございます。

今年は穏やかで暖かい正月ですね。
これぐらいの天候ですと活動しやすくて良いですね。
新年は伊豆修善寺温泉に行き、そのついでに沼津のご用邸に見学に行きました。
庭や建物に興味があり、興味深く拝見してきました。
庭も建物もそうですが、こういったいい方が適切かどうかはわかりませんが、
富裕層、あるいは高貴な方々が使っていたものには日本の古き良き文化が多く残されていますね。
茶の湯の世界もそうですし、きものもそうです。
きものもかなり手の込んだものがあり、残念ながらそういったものは誰でもが身につけられるというのではありませんが、文化の保持という意味では残してほしいものです。
それも昨今では急激に失われていく憂き目にあっているので、どうにかして伝えていってもらいたいと思っています。

とはいえ、庶民の暮らしのなかにも伝統はありました。それから、ものを大切にするというこころもありました。ですから、どっちが尊いというのではなく、また、二極に分類するというのでもなく、
どちらも、少し前の日本にはあったという歴史、記憶は残しておきたいものです。
歴史や記憶は簡単に忘れ去られ、塗り替えられるものですから。


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話は変わり、これは昨年最後の仕事の縫い取りお召しのコートでした。
たいがいにおいてボタンは共布をくるみボタンにつくるのですが、ここはべつにあわせようと計算してボタンをつくったわけではないのですが、つける段になって、意外と合いそうだということで、
なるべく位置を合せてみました。
完璧にはあっていませんが、いい線はいっているでしょう?

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コートは最後のスナップづけとかボタンづけとかがわりに手間どるんですよ。


ということで?今年もどうぞよろしくお願いいたします。!

仕立のご用命はいつでもお待ちしておりますので!
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by saki-kss | 2017-01-04 22:05 | 技術

衿先裏

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いつもうまくいくわけではないのですが、これはいいですね。笑

衿先の裏側です。
こんなところも意外と難しいのです。
角のところは表も裏も同じ3寸の幅、そこから急に舟底型に裏だけ減らしてゆくのですから、
無理をしないといけません。

これもやはりコツがあります。
こんなことも修行中に習ったわけではなく、長い年月の間にこうしたらいいかなと
練ってたどりついた結果です。おおげさですけどね。

技術の向上は際限はなくひとつの箇所に何年、何十年と経験してやっとそうか!と
わかることもあります。

発見があるっておもしろいですね!
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by saki-kss | 2016-08-30 22:00 | 技術

男物 変わり衿雨コート

写真を元に男物の変わり衿コートをつくってもらえないかとの注文がありました。
それは、かなりたて衿部分が上のほうまでつく、平安時代の衣装のようなものでした。

小さい写真を引き延ばし、こんなところかなというところで型紙を製作、
今回は微妙な衿だったので仮縫いも。

それで、裁ちはこんな感じ
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身頃の上の部分です。
そして、
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身頃縫っています。たて衿をつけて。

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で、できました!

雨コート、男性のだったので、長さが4尺ぐらいあって、正直たいへんでした。
袷コートよりも手がかかるんですよ。
コートはすべて割り縫い、そのうえ単衣だと縫い代の始末もたくさんあり、
表面にでない手間があります。

近頃は保育士の賃金が安いと盛んに言われ、抗議行動などもしています。
それは本当に当然のことですよね。
和裁士も時給計算すると同じようなものです。

もちろん和裁の世界だけでなく、手仕事の分野は国からの助成金もなく、
厳しい状況でやっています。
一番恐いことは,一人前になっても食べていけないと
後継者がいなくなることです。

手仕事はおもいのほか時間がかかります。
わたしは教室もやっていますが、
電話での問い合わせなどをきくと、簡単にできるとおもっている方が多いのです。

でも、そう簡単にはいかないんですよ〜〜。
一度ぜひ縫ってみられることを、願っています。^^。




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by saki-kss | 2016-03-30 20:55 | 技術

小紋 道行コート

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もう、あけましておめでとうございます、というには日が経ちすぎていますね。
かげさまで当方たいへん忙しく,連日夜中まで仕事をやらねばならなくなり、
新年早々仕事しごとの日々を送っています。

昨年整骨院に通い、骨盤や背骨の歪みを直してもらって以降、
集中力も増し、疲れにくさも加わり、自分でもどうしてこうできるのか不思議なぐらいですが、
さすがにこれ以上の時間は無理ですね、というぐらいやっています。(でも、あまり稼げていない。
^^;)

さてと、画像は小紋コートの柄合わせです。
地模様に大きめの円が織られています。
こういう場合絶対どうしなければというのは言えません。
総尺がどれぐらいであるか?円はずっと合せることが可能か、
など、いろいろな要素で決まってきます。

仕立て屋としては、できることならなるべく合せたいと思うのではないでしょうか。
わたしは思います。

身頃と衿は、最も合せたいところは左の身頃と衿で、あとは合なくても仕方がないのです。
幸いこの場合は背のところと衿が合っていますね。これはラッキーです。

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出来上がりの図
合うところは合せていきます。


仕立て屋はここに来るまでの反物のさまざまな負の要素を極力出さないようにする、
なるべくそんなことわからせないようにする課題を背負わされています。

時には文句のひとつやふたつ言いたいこともあります。
仕立て屋としてもっと発信しなければいけないことも時に思います。
地直ししてもなおらない歪んだ生地をどう妥協点を見いだし、
できた時にはおかしくないように仕立て上げるかなど、
仕立て屋は試練がいっぱいでございます。

まっ、それもおもしろいといえばおもしろいのですけれどね。
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by saki-kss | 2016-01-17 21:00 | 技術

身丈不足の継ぎ足し

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いよいよ今年も残すところ今日明日となってしまいました。
まさに年の瀬、この12月はおかげさまで仕立ての収めに追われてんやわんやでした。
そのうえ、印半纏作りがごく一部で静かなブームになっており,それの講習などもおこなっていたせいで、危機的に忙しかったです。

でも人間せっぱつまるできるものですね。
この年でも時間的に新記録というのでせうか、単に仕事時間が長かっただけかもしれませんが、
まぁ、やりました!

ひとつのことに集中して身を傾けてやっていると,突破した感が生まれることがあります。
この12月をこなして今、そんな感があります。


12月は大島が何枚か続きました。
上の画像は白大島です。
雪輪の文様がたいへん美しいですね。
この絣の技術はたいしたものですねぇ。
地の色が白いというのは絣がいっそうたいへんなのではないでしょうか。


さて、今日の本題は、仕立て直しのときに身丈がけっこう足りないときに
ほどこすのが「継ぎ」という手法です。

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この継ぎ、かなり気を使うんです。
身頃を切るんですから。まちがいは許されません。
いつも慎重に慎重を重ね、不安な気持ちを抱えてやっています。笑
切る場所はおおまかに2カ所が可能です。

ひとつはおはしょりの中に入る部分、
もうひとつは帯の中に隠れる部分です。

で、どっちのほうが安心かというと前者かなと思います。
結論として、その方の褄下から上に2寸からはじまると(上に)安心ではないかと。
幅も限度はあります。
3寸程度ならまちがいないと思います。
 
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それから、当方では和裁の教室もやっております。
自分のものを縫いたい方からプロをめざす方まで、
その方の希望にそって、最適な指導を心がけます。
また、「ゆかたを1枚縫いたい」というのでもけっこうです。
ただし、ゆかた1枚縫うのもけっこう時間はかかります。
3時間×9〜10回はかかると覚悟してくださいませ。
3時間で2,500円です。
まずはお電話を!


    ...................................................


来年もどうぞよろしくお願いいたします。
みなさまよいお年をお迎えください。
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by saki-kss | 2015-12-30 20:59 | 技術

大島紬袷

大島紬を2枚続けて縫っています。

この泥染の大島は繊細な絣の色柄がきゅんときます。

大島紬は縦緯とも生糸で伸びるということがないので仕立の場合難しいのは衿づけ、
特に衿肩まわりだと思います。
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近頃では,仕立が難しいという理由で、衿肩をまっすぐ切らないで
コート類のようにカーブで切るやり方もあるようですが、
わたしは昔からの真一文字に切るやりかたです。

つんとした感じにならないよう丸くなるよう意識して衿づけをしています。
手の感触が大事です。

何事も修練の連続です。
おもしろいもので何十年経ってやっと得られる技術もあります。
まだまだ修業、ずっと修業です。

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by saki-kss | 2015-12-12 17:58 | 技術

ひぃおじぃさんの着物

Tさんは若手のガラス作家で12月中旬にフランスに行くという。
それまでにアンサンブルの仕立て直しをしてもらえないか、との相談を受けました。
日数的には厳しいものがありましたが、ここぞという時なのでがんばりました。

問題は裄をあと10センチ伸ばせないかということで、縫い代があれば問題なくできるのですが、
なにせ何十年も前のきもの幅、洗い張りから帰ってきた布を見ると、Oh my God!
9寸1分しかないではありませんか!
通常ですと、ほとんど伸びません。笑。
Tさんは男性で裄が2尺希望しているのです。

そのきものを着ていた時の写真を拝見したところ、う〜ん。。。
やはりこれはなんとかしてさしあげたいもの。
べつ布をはぐか・・・

そこで思い出したのが、羽織の衿!
一幅使っていれば内側に隠れる分は使えます。
よかった!ありました。
衿に最低限必要な幅をとって残りを羽織と長着両方に使うべく半分の幅に切り
袖のつけ側にはぎました!

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これで6センチ伸びました!
共布なのでそれほど違和感はありません。
堅苦しい場面に着るようなものであれば、これは NGかもしれませんが、
ものは「お召し」、しかもご本人はアーティストです。

さっそく発送したところ Tさんもたいへん喜んでくれました。
よかったです。

Bon voyage!








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by saki-kss | 2015-12-10 20:31 | 技術

仕立て直しの袖丈直し襦袢

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きのうは木枯らしのような強風が吹き、冬の到来を教えてくれました。
ハラハラ落ちる木の葉は光に揺れとてもきれいです。
そして、夜はとても冷え込み、朝は一面の霜、寒くなりましたね。

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さて、これは襦袢の袖です。
ハギがあるでしょう?
仕立て直しの袖なのですが、丈を伸ばしてほしいという要望でした。

幸い元の襦袢、居敷当てに共布を使っていたのでその布がありました。
それを継いだわけです。
問題はどの場所で継ぐかです。
襦袢の袖では、表から見えるところはほんの一部です。
振りの下のほうと,袖口、
できればそこをはずしたい。

結局たどりついたのは袖山から6寸5分の一でした。
長着の袖口の2センチぐらい下の位置です。


袖に継ぎのない方法ですと、元の見頃と袖を取り替えるというのもありますが、
そうなると見頃にハギができてしまいます。
見頃は表からは見えないのですが。


とにかくどんな場合でも「最適」を見つけて日々仕事にいそしんでいます!

ご相談に乗りますよ。


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襦袢の柄もいろいろ多彩です。
これは昨日縫い終えた襦袢ですが、だいたんな吉祥文様です。
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by saki-kss | 2015-11-28 09:00 | 技術

黒のぐしびつけ

いやぁ、久しぶりの更新になってしまいました!

今年はとても忙しく日々あたふたあたふた、納期までにやれるかどうかという状態が続いていました。
今も中旬までに・・・という仕事が・・・


ということで本題です。

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喪服のぐしびつけです。

黒のぐしびつけはたいへん神経を使います。
すこしでも大きさとか間隔が違うと目立ってしまうのでむずかしい。


でも、ぐしびつけ自体は決して嫌いではありません。^^。
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by saki-kss | 2015-07-16 05:25 | 技術