コートのボタン

新年あけましておめでとうございます。

今年は穏やかで暖かい正月ですね。
これぐらいの天候ですと活動しやすくて良いですね。
新年は伊豆修善寺温泉に行き、そのついでに沼津のご用邸に見学に行きました。
庭や建物に興味があり、興味深く拝見してきました。
庭も建物もそうですが、こういったいい方が適切かどうかはわかりませんが、
富裕層、あるいは高貴な方々が使っていたものには日本の古き良き文化が多く残されていますね。
茶の湯の世界もそうですし、きものもそうです。
きものもかなり手の込んだものがあり、残念ながらそういったものは誰でもが身につけられるというのではありませんが、文化の保持という意味では残してほしいものです。
それも昨今では急激に失われていく憂き目にあっているので、どうにかして伝えていってもらいたいと思っています。

とはいえ、庶民の暮らしのなかにも伝統はありました。それから、ものを大切にするというこころもありました。ですから、どっちが尊いというのではなく、また、二極に分類するというのでもなく、
どちらも、少し前の日本にはあったという歴史、記憶は残しておきたいものです。
歴史や記憶は簡単に忘れ去られ、塗り替えられるものですから。


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話は変わり、これは昨年最後の仕事の縫い取りお召しのコートでした。
たいがいにおいてボタンは共布をくるみボタンにつくるのですが、ここはべつにあわせようと計算してボタンをつくったわけではないのですが、つける段になって、意外と合いそうだということで、
なるべく位置を合せてみました。
完璧にはあっていませんが、いい線はいっているでしょう?

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コートは最後のスナップづけとかボタンづけとかがわりに手間どるんですよ。


ということで?今年もどうぞよろしくお願いいたします。!

仕立のご用命はいつでもお待ちしておりますので!
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# by saki-kss | 2017-01-04 22:05 | 技術

唯一無二の場所

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これは訪問着の袖で「松葉」が描かれています。

見頃と合い印がある場合は必然的に柄を合せるよう、位置が決まりますが、
そうでない場合、こういった単体で柄がある場合、その位置(高さ)は仕立て屋のセンスにゆだねられます。もちろん、できあがりの丈プラス縫い代があるので、どこまでも可能というわけにはいきません。
一般的には柄は高さの半分より下のほうが落ち着くとみられています。

少し位置を変えてみましょう。
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やや下に
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こちらは上に

みなさんはどれが一番落ち着きますか?

わたしは最初の写真の位置が落ち着きます。(ので、この位置にしました)

柄によってはもう少し下、あるいは上がいいかもしれませんが、この柄と大きさではここかなと思います。

これはここという、もっとも適した位置があり、その感覚は我々仕立て屋が常に磨いていないといけないと思っています。

話は変わり、衿づけのラインを縫うときなどにも、どのラインがもっともきれいで無理がなく着やすいかをいつも考えて縫っています。

唯一無二の場所があるはずだと。

必ずしもいつも実際にそうできているとは言えませんが、そのように狙うことは仕事を向上させる、あるいはいい状態をキープする上で大切なことだと思っています。

手前味噌ではありますが、わたしは修行中の始めのうちから先生に「貴女の縫ったきものは着やすい」と言われていました。さきほどの衿づけのラインなどでは着やすさ、着にくさが如実にあらわれます。また、縫った糸に緩むでもなく、きつくなっていないか等。

手仕事では機械ではできないこうした違いがあり、こういった「塩梅仕事」はいつまでも残しておきたいですね。

世の中ではAI技術(人工知能)が日進月歩で進み、シンギュラリティ、つまり、人工知能が人間を追い越す時は2045年とも、それより早いのではないかとも言われています。
この先、人間の労働はどこまで機械に任されてしまうのか、また我々の暮らし自体は、など、これからの数十年はかつてない変化に見舞われるでしょう。

でも、細かな加減は人間に残された仕事、そう信じて環境がどうであろうがやることは変わりません。
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# by saki-kss | 2016-10-31 00:08

加賀友禅

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久しぶりにうれしい仕事をすることができました。加賀友禅です。
かつて世の中の景気がよくよいものがどんどん売れていた頃はこうした手描きの友禅やすばらしい技巧の絞り、刺繍などぜいぶん縫ったものでしたが、近年は残念ながらあまり「これはすごい!」とうなるようなものにはありつけていません。
日本は貧しくなったのだとつくづく実感します。景気が上がったなどというのは政府が禁じ手を使って株価を上げる等偽装工作をしているからのことであって、稼いでいるのはほんの一握りのひとであり、
庶民は買いたいものがあっても財布の中身と相談しなければなりません。

と、話はせちがらくなってしまいましたが、わたしたち仕立て屋もそう、きものの作り手である染めや織り、もろもろの職人たちの待遇や後継者不足は危機的になっており、いかにしてこの文化を守っていけるかという悩みは常々抱いているのです。

近年は若い方も着物には興味を持たれる方も多くなったようですが、まずはリーズナブルなところから。しかし、良いものを見るということは大切なことです。いろいろなものを見てよいものと、近頃のインクジェットで染められた偽物との違いを感じていただきたいものです。といってもひとめみればその差は歴然としていますよね。

さて、加賀友禅です。
京友禅との比較でひとつ大きな違いは、京友禅はたくさんの工程を分業でべつべつの職人が手がけるのに対し、加賀友禅は作家さんがすべての工程をこなすことにあります。
このきものも作家の名前が下前おくみに入っています。

加賀友禅は「加賀五彩」という、臙脂・藍・黄土・草・古代紫の五色を基調とし、優雅で上品な印象を持たせるものが多いと思います。
この友禅も華やかというよりは落ち着いた上品さと伸びやかさがありうっとりとします。

わたしは植物にはくわしいほうですが、この植物なんだかわからないのです。。。
と、もしかしてヤマハッカ?ヒキオコシ
たぶんそんなところでしょう。いずれシソ科の小さな花で今の初秋に咲く目立たない花です。
珍しいっ!こういう地味な山野草を持ってくるなんて!
ちなみに作者は女性です。

こうした手描きの良いものは生地も上質のものが使われ縫いやすいのです。
比較するのもあれですが、ポリエステルのものなどは逆に縫いづらい、コテもかかりにくければ
高温にも注意しなければならない。できれば縫いたくないものですね。
良いものを縫えるというのは仕立て屋の喜びです。
もちろんやるからにはどんなものでも手を抜くということはありえませんけれどね。

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# by saki-kss | 2016-10-04 22:14 | きものあれこれ

衿先裏

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いつもうまくいくわけではないのですが、これはいいですね。笑

衿先の裏側です。
こんなところも意外と難しいのです。
角のところは表も裏も同じ3寸の幅、そこから急に舟底型に裏だけ減らしてゆくのですから、
無理をしないといけません。

これもやはりコツがあります。
こんなことも修行中に習ったわけではなく、長い年月の間にこうしたらいいかなと
練ってたどりついた結果です。おおげさですけどね。

技術の向上は際限はなくひとつの箇所に何年、何十年と経験してやっとそうか!と
わかることもあります。

発見があるっておもしろいですね!
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# by saki-kss | 2016-08-30 22:00 | 技術

ぜんまい織紬

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ぜんまい織の紬を仕立てました。

ぜんまいとは山菜のぜんまいです。
絹の糸にゼンマイの綿毛を混ぜ込んだ糸を部分的に使っています。茶色のかすれたようなところがそうです。

ゼンマイの綿毛はなにしろ短毛ですからそれだけで糸にすることはほぼ不可能かと思います。

ガマの穂の綿毛を綿糸に混ぜ込んだ布も見たことがあります。
ガマといえば昔は蒲団に使っていたというのにもびっくりした記憶があります。
字がそうですね、ガマ=蒲ですね。

ぜんまい織は主に日本海側、秋田とか山形で生産されているようです。

この夏はもう一枚仕立てる予定です♪


☆ 咲季きもの仕立て草苑では随時仕立ての注文をお受けしております。
また、仕立のご相談にものりますので、お気軽にお電話ください。

また、和裁教室も随時募集しております。
ゆかた一枚、自分のものを縫ってみたい方からプロをめざす方までできるかぎり対応させていただきますが、プロ志望の方でも、とうほうは訓練所ではないため、縫うものはご自身で用意してください。
実力があがり、仕事をさせても大丈夫と判断した時にやっていただくことはあると思います。
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# by saki-kss | 2016-08-17 21:06 | きものあれこれ

八掛 カラーサンプル

 
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本日は裏地の紹介です。
近頃はネットでも格安の裏地が売っていますが、大事なことはやはり品質です。
きものを美しく仕立てるには裏地もとても重要です。
ぱっと目には差が感じられなくても、触ってみれば違いがわかります。
わたしも裏地はいろいろ縫わせていただいておりますが、その中でも最も良いとお勧めできるものがこのメーカーのものです。

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表地が主に柔らかものの場合は1枚目、2枚目の画像のタイプ
「ぼかし」と「無地」があります。
品質は2種類あり、通常の市価では16.000円以上のものが当方では、11.000円ほどで、
市価では18.000円以上のものが、12.400円でお使いいただけます。

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表地が紬の場合、特にお勧めしたいのがこれ、真綿紬です。
表地との相性がよく、肌触りも抜群です。
これは市価では20,000円近いものですが、とうほうでは13,300円でお使いいただけます。

また、べつ染めも可能です。
例えば真綿紬で「ぼかし」のNo,○○をのように、サンプルにある色の範囲で染めることができます。その場合は1,500円プラスです。

また、羽二重同裏地も3種類ありますが、すべて樹脂加工していない最高級のものです。
今市場に出回っているほとんどのものは、この樹脂加工で目方を増やしているのだそうです。
お値段は8,000円からです。

☆紬用の胴裏もあり、節の入った質のとてもよいものです。これは10,700円
かなりお勧めです!

これらは当方で仕立てることが基本です。が、裏だけ欲しい方もありです。
どうぞお気軽にご相談ください。

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# by saki-kss | 2016-08-12 22:33 | 裏地

夏には何を縫うか?

という質問をときどき受けます。
質問者はその後たいがい「ゆかた?」と聞いてきます。

いやいや、ゆかたはそれほど縫わないんですよ。
今年はめずらしく3枚縫いましたが平均すると年に1〜2枚かな?

夏には薄物、絽とか紗とかは縫いますし、麻もあります。
でも、普通に袷も多いんです。
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これは付け下げ小紋の袷、一見小紋っぽいですが裾の方が絵羽になっています。
この生地は縫い易かったです。

そういえば、修業時代、わたしの先生に聞いたことがありました。
どういう着物が好きですか?と
そしたら、先生
「縫い易いきもの」と 笑
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# by saki-kss | 2016-08-07 23:57 | きものあれこれ