男物 変わり衿雨コート

写真を元に男物の変わり衿コートをつくってもらえないかとの注文がありました。
それは、かなりたて衿部分が上のほうまでつく、平安時代の衣装のようなものでした。

小さい写真を引き延ばし、こんなところかなというところで型紙を製作、
今回は微妙な衿だったので仮縫いも。

それで、裁ちはこんな感じ
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身頃の上の部分です。
そして、
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身頃縫っています。たて衿をつけて。

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で、できました!

雨コート、男性のだったので、長さが4尺ぐらいあって、正直たいへんでした。
袷コートよりも手がかかるんですよ。
コートはすべて割り縫い、そのうえ単衣だと縫い代の始末もたくさんあり、
表面にでない手間があります。

近頃は保育士の賃金が安いと盛んに言われ、抗議行動などもしています。
それは本当に当然のことですよね。
和裁士も時給計算すると同じようなものです。

もちろん和裁の世界だけでなく、手仕事の分野は国からの助成金もなく、
厳しい状況でやっています。
一番恐いことは,一人前になっても食べていけないと
後継者がいなくなることです。

手仕事はおもいのほか時間がかかります。
わたしは教室もやっていますが、
電話での問い合わせなどをきくと、簡単にできるとおもっている方が多いのです。

でも、そう簡単にはいかないんですよ〜〜。
一度ぜひ縫ってみられることを、願っています。^^。




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# by saki-kss | 2016-03-30 20:55 | 技術

小紋 道行コート

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もう、あけましておめでとうございます、というには日が経ちすぎていますね。
かげさまで当方たいへん忙しく,連日夜中まで仕事をやらねばならなくなり、
新年早々仕事しごとの日々を送っています。

昨年整骨院に通い、骨盤や背骨の歪みを直してもらって以降、
集中力も増し、疲れにくさも加わり、自分でもどうしてこうできるのか不思議なぐらいですが、
さすがにこれ以上の時間は無理ですね、というぐらいやっています。(でも、あまり稼げていない。
^^;)

さてと、画像は小紋コートの柄合わせです。
地模様に大きめの円が織られています。
こういう場合絶対どうしなければというのは言えません。
総尺がどれぐらいであるか?円はずっと合せることが可能か、
など、いろいろな要素で決まってきます。

仕立て屋としては、できることならなるべく合せたいと思うのではないでしょうか。
わたしは思います。

身頃と衿は、最も合せたいところは左の身頃と衿で、あとは合なくても仕方がないのです。
幸いこの場合は背のところと衿が合っていますね。これはラッキーです。

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出来上がりの図
合うところは合せていきます。


仕立て屋はここに来るまでの反物のさまざまな負の要素を極力出さないようにする、
なるべくそんなことわからせないようにする課題を背負わされています。

時には文句のひとつやふたつ言いたいこともあります。
仕立て屋としてもっと発信しなければいけないことも時に思います。
地直ししてもなおらない歪んだ生地をどう妥協点を見いだし、
できた時にはおかしくないように仕立て上げるかなど、
仕立て屋は試練がいっぱいでございます。

まっ、それもおもしろいといえばおもしろいのですけれどね。
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# by saki-kss | 2016-01-17 21:00 | 技術

身丈不足の継ぎ足し

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いよいよ今年も残すところ今日明日となってしまいました。
まさに年の瀬、この12月はおかげさまで仕立ての収めに追われてんやわんやでした。
そのうえ、印半纏作りがごく一部で静かなブームになっており,それの講習などもおこなっていたせいで、危機的に忙しかったです。

でも人間せっぱつまるできるものですね。
この年でも時間的に新記録というのでせうか、単に仕事時間が長かっただけかもしれませんが、
まぁ、やりました!

ひとつのことに集中して身を傾けてやっていると,突破した感が生まれることがあります。
この12月をこなして今、そんな感があります。


12月は大島が何枚か続きました。
上の画像は白大島です。
雪輪の文様がたいへん美しいですね。
この絣の技術はたいしたものですねぇ。
地の色が白いというのは絣がいっそうたいへんなのではないでしょうか。


さて、今日の本題は、仕立て直しのときに身丈がけっこう足りないときに
ほどこすのが「継ぎ」という手法です。

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この継ぎ、かなり気を使うんです。
身頃を切るんですから。まちがいは許されません。
いつも慎重に慎重を重ね、不安な気持ちを抱えてやっています。笑
切る場所はおおまかに2カ所が可能です。

ひとつはおはしょりの中に入る部分、
もうひとつは帯の中に隠れる部分です。

で、どっちのほうが安心かというと前者かなと思います。
結論として、その方の褄下から上に2寸からはじまると(上に)安心ではないかと。
幅も限度はあります。
3寸程度ならまちがいないと思います。
 
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それから、当方では和裁の教室もやっております。
自分のものを縫いたい方からプロをめざす方まで、
その方の希望にそって、最適な指導を心がけます。
また、「ゆかたを1枚縫いたい」というのでもけっこうです。
ただし、ゆかた1枚縫うのもけっこう時間はかかります。
3時間×9〜10回はかかると覚悟してくださいませ。
3時間で2,500円です。
まずはお電話を!


    ...................................................


来年もどうぞよろしくお願いいたします。
みなさまよいお年をお迎えください。
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# by saki-kss | 2015-12-30 20:59 | 技術

大島紬袷

大島紬を2枚続けて縫っています。

この泥染の大島は繊細な絣の色柄がきゅんときます。

大島紬は縦緯とも生糸で伸びるということがないので仕立の場合難しいのは衿づけ、
特に衿肩まわりだと思います。
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近頃では,仕立が難しいという理由で、衿肩をまっすぐ切らないで
コート類のようにカーブで切るやり方もあるようですが、
わたしは昔からの真一文字に切るやりかたです。

つんとした感じにならないよう丸くなるよう意識して衿づけをしています。
手の感触が大事です。

何事も修練の連続です。
おもしろいもので何十年経ってやっと得られる技術もあります。
まだまだ修業、ずっと修業です。

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# by saki-kss | 2015-12-12 17:58 | 技術

ひぃおじぃさんの着物

Tさんは若手のガラス作家で12月中旬にフランスに行くという。
それまでにアンサンブルの仕立て直しをしてもらえないか、との相談を受けました。
日数的には厳しいものがありましたが、ここぞという時なのでがんばりました。

問題は裄をあと10センチ伸ばせないかということで、縫い代があれば問題なくできるのですが、
なにせ何十年も前のきもの幅、洗い張りから帰ってきた布を見ると、Oh my God!
9寸1分しかないではありませんか!
通常ですと、ほとんど伸びません。笑。
Tさんは男性で裄が2尺希望しているのです。

そのきものを着ていた時の写真を拝見したところ、う〜ん。。。
やはりこれはなんとかしてさしあげたいもの。
べつ布をはぐか・・・

そこで思い出したのが、羽織の衿!
一幅使っていれば内側に隠れる分は使えます。
よかった!ありました。
衿に最低限必要な幅をとって残りを羽織と長着両方に使うべく半分の幅に切り
袖のつけ側にはぎました!

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これで6センチ伸びました!
共布なのでそれほど違和感はありません。
堅苦しい場面に着るようなものであれば、これは NGかもしれませんが、
ものは「お召し」、しかもご本人はアーティストです。

さっそく発送したところ Tさんもたいへん喜んでくれました。
よかったです。

Bon voyage!








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# by saki-kss | 2015-12-10 20:31 | 技術

仕立て直しの袖丈直し襦袢

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きのうは木枯らしのような強風が吹き、冬の到来を教えてくれました。
ハラハラ落ちる木の葉は光に揺れとてもきれいです。
そして、夜はとても冷え込み、朝は一面の霜、寒くなりましたね。

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さて、これは襦袢の袖です。
ハギがあるでしょう?
仕立て直しの袖なのですが、丈を伸ばしてほしいという要望でした。

幸い元の襦袢、居敷当てに共布を使っていたのでその布がありました。
それを継いだわけです。
問題はどの場所で継ぐかです。
襦袢の袖では、表から見えるところはほんの一部です。
振りの下のほうと,袖口、
できればそこをはずしたい。

結局たどりついたのは袖山から6寸5分の一でした。
長着の袖口の2センチぐらい下の位置です。


袖に継ぎのない方法ですと、元の見頃と袖を取り替えるというのもありますが、
そうなると見頃にハギができてしまいます。
見頃は表からは見えないのですが。


とにかくどんな場合でも「最適」を見つけて日々仕事にいそしんでいます!

ご相談に乗りますよ。


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襦袢の柄もいろいろ多彩です。
これは昨日縫い終えた襦袢ですが、だいたんな吉祥文様です。
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# by saki-kss | 2015-11-28 09:00 | 技術

5歳祝着

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ここのところ続けて何枚か5歳の祝着を縫っています。

この家紋は稲ですね。季節としても今は稲刈りシーズンです。
この稲の家紋を調べてみるとこのようなことが書かれています。

「稲は主食であることからして、日本人に最も身近な植物ですから、古くから紋に使われています。元来、農業の守り神である熊野神社に奉仕する神官、氏子などに用いられ、熊野信仰の普及にともなって全国に広まりました。積んだ稲穂は穂積とも鈴木ともいいます。鈴木はススキの当て字で、名字としても全国に普及し、稲紋は日本第二の大姓「鈴木」一族の代表紋になっています。意匠的には具象的な稲穂を束ねて丸型にしたものが基本形で、他の紋と組み合わせたものも多くみられます。」

鈴木氏の代表紋であればもっと見てもよかったでしょうに、実はこれまであまり稲紋を見たことは
ありませんでした。なぜなのだろうかと首をかしげます。


それはそうと、今日縫ったものはこれとは違うものですが、(画像がぶれたのでパス)
男の子の場合、出生後間もなく着る、というよりくるまれる「お宮参り」のときのきものと
5歳祝着を兼用できるんです。これは頭の良い方法ですね。

寸法としては5歳の標準で作ります。あげはしないでおきます。
お宮参りと5歳祝着で違うのは袖で、お宮参りでは大名袖になります。
大名袖というのは袖口が全部開いていて丸みもついていません。
5歳の時にはこの部分を,丸みをつけて袖口下を縫うのです。
そして、もちろん、その子のサイズに「あげ」をします。



 仕立のご依頼お待ちしております!

また、仕立て直しのご相談など承ります。
丈が足りない、裄が短いなどご心配な際でも最適な判断を心がけています。
まずはお電話あるいはメールをください。




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# by saki-kss | 2015-11-03 23:28 | きものあれこれ